令和02年07月20日

10年間の審査成績を振り返る

都府県が誇るEX牛

 都府県における過去10年間の審査成績、特にEX牛に関してまとめた。
 図1は2010〜2019年度の45都府県での審査頭数および審査得点90点以上(エクセレント:以下EX)牛の割合であるEX率をまとめたものである。棒グラフが審査頭数(体型調査も含む)、折れ線グラフがEX率を表しており、左縦軸が頭数、右縦軸が割合、横軸が年度を示している。図1では同じ牛が複数回審査または体型調査を受けていた場合、受けた回数それぞれを1件として集計している。
 審査頭数については2012年度をピークに一度減少しているが、2016年度から2019年度にかけて順調に増加している。2019年度には2012年度の審査頭数を上回り、過去10年間で最多の審査頭数となった。一方で、EX率は年々増加してきている。2010年度には約0・75%だったものが2019年度には約2%と倍以上に増加している。なお、EXを獲得するには、3産以上で正常分娩し泌乳中であること、かつ305日検定の実乳量が9千`以上でけいれん肢と融合乳頭がないという高い水準であることが必要になるため、乳牛の改良がこの10年間で大きく進んでいることが伺える。
 表1は過去10年間の都府県ごとの審査頭数、EX牛の頭数とその割合、および都府県内での最高決定得点をまとめている。EX牛頭数の多い上位10県には欄に色がついている。表1および後述の表2では、同一農家に所有されている間に複数回審査または体型調査を受けた牛の場合、その牛の最高決定得点を獲得した年度のデータを採用しており、1頭につき1件として集計している。
EX牛最多は岩手県
2位熊本県、3位群馬県
 EX牛頭数が最も多かった県は岩手県であり、その頭数は236頭、県内のEX率は約1.94%だった。2位は熊本県の210頭で、審査頭数に関しては岩手県の1万2184頭を上回る1万7228頭であり、都府県内1位だった。3位は群馬県の209頭で2位の熊本県とわずか1頭の差となった。県内最高決定得点は95点と、岡山県と並び都府県内での最高点をマークしている。審査頭数は1万2889頭、EX率は1.62%。
 以下、4位は栃木県の177頭、5位は千葉県の111頭、6位は岡山県の101頭、7位は茨城県の88頭、8位は愛知県の86頭、9位は福岡県の85頭、10位は長野県の72頭となっている。
 表2は2010年度〜2019年度にそれぞれの都府県内で、最もEX牛を輩出した会員(家族会員も含む)と審査頭数(体型調査も含む)、EX牛の頭数とその割合、および最高決定得点をまとめている。表1と同じくEX牛の頭数が多い上位10会員の欄には色がついている。また、同じ都府県内でEX牛を輩出している数が同数の会員が複数いる場合には列挙している。
 最もEX牛を輩出したのは岩手県の小岩井農場の65頭で、審査頭数1378頭、EX率は4.7%、最高決定得点は92点だった。小岩井農場ではこれまでに92点を獲得した牛が4頭誕生している。2位は群馬県の長坂喜義さんの48頭であり、審査頭数139頭、最高決定得点93点。EX率は34.5%と、長崎県の県立島原農業高校の37%に次ぐ高い割合となっている。3位は佐賀県の古川豪樹さんの39頭だった。審査頭数139頭、最高決定得点92点。EX率については28.1%とこちらも高い割合となった。
 以下、4位は熊本県の松島太一さんの30頭、5位は静岡県の石川和博さんの28頭、6位は茨城県の弓家直人さんと栃木県の植木靖さんの23頭、8位は宮城県の(有)半澤牧場、長野県の小林正春さんの21頭、10位は岡山県の妹尾優佳さんの20頭だった。
 都府県の歴代最高得点牛は95点を獲得した4頭である。最後に、過去10年で95頭を獲得したギンとリコ ダツチを紹介する。今後もこれら優秀牛に勝るとも劣らない名牛の誕生を期待したい。
 写真はデーリィマン社より提供。

図1 審査頭数とEX率の推移


表1 県別EX頭数


表2 県別最多EX牛所有者


グランデイール スター PT ギン
2006.12.07生(父:ポツター)
岡山県・吉原直樹さん所有


フアイン リコ ダツチ
2010.3.31生(父:ラテイチユ-ド)
群馬県・遠坂和仁さん所有

  令和02年07月20日

令和2年度 審査日程

〜前期審査は3カ月遅れて開始〜

 日本ホル協では令和2年度の審査日程は、新型コロナウイルス感染症の影響により、都府県における全ての審査を一時中止していたが、緊急事態宣言の解除に伴い、対応が可能な都府県を優先して審査を再開することとした。
日程再開は段階的に
 4月7日に我が国初となる緊急事態宣言が発出されてから約2ヶ月間、不要不急の外出自粛や都道府県をまたいだ移動の自粛に加え、鉄道・航空各社による減便など、各自治体それぞれで当感染症の拡大防止の対応が図られた。これに先立ち当協会は、審査業務では県をまたいだ移動や現地滞在などが避けられないこと、何よりも生産者の安全を最優先することを目的として、4月13日から予定していた都府県における全審査日程の一時中止を決定した。
 この結果、当感染症の1日当たりの新規感染者数は4月のピークを境に減少傾向に転じ、政府は5月25日に約2ヶ月間に及んだ緊急事態宣言の解除を発表した。
 これを受けて当協会は、一時中止していた審査日程を対応が可能な都府県を優先して段階的に再開することを決定した。
 しかしながら、解除後も第2・3波の発生防止に向けた各自治体における自粛要請の継続や緩和に向けた取り組みが異なることから、当協会は支部・承認団体に聞き取り調査を行い、前期の日程再開を希望すると回答があった23府県を対象として、今年度に限り期間を7月6日から9月11日までに変更することで令和2年度(前期)審査日程を段階的に再開することとした。
 また、審査委員は審査の再開に備えて7月からの日本ホル協(事務所)への出勤を自粛して在宅勤務を基本とすることで不要不急の外出を減らし、審査の際にはそれぞれの居住地区から直接現地入りすることとした。
今後の対応
 なお、後期審査日程は現在のところ予定どおり実施することとしているが、今後の状況によっては前後期ともに審査を中止する場合があり、引き続き当感染症に注視しつつ状況を判断することで対応を図るものとする。
 世界を震撼させた当感染症は我が国においても例外ではなく、有効なワクチンや医療体制の確立に向けて各国がその開発を進めているが、完全な終息に向けては未だ不透明な状況にあり、新たな生活様式に対応しつつ一人一人が衛生管理の徹底に努め、一日も早く平時に戻ることを願うとともに、審査未実施となっている都県を含めた全国で牛群審査・体型調査・ロボット調査の再開と減少分の回復を目指すものとしたい。今後も引き続き会員をはじめとする関係各位の深いご理解とご協力をお願いしたい。

令和2年度都府県別審査日程表



一般社団法人 日本ホルスタイン登録協会
The Holstein Cattle Association of Japan