令和02年07月20日

血統登録数3年連続増

登録数は過去10年間で2番目に

-令和元年度都府県各種申込状況から-

 令和元年度における都府県別各申込状況を表1に、また平成22年度から直近10年間の各種申込件数の推移を表2および図1に示しました。昨年度の都府県の血統登録数は4万7751頭で、対前年比102.6%と若干ではありますが3年連続して前年度を上回りました。生産基盤確保のために性選別精液の利用率が多くなり、雌牛の生産が増え、それが血統登録の増加に繋がっていると考えられます。年々、酪農家戸数の減少は続いていますが、性選別精液の利用に加え、ゲノミック評価を活用することで、優秀な後継牛生産もできます。これからも効率的な雌牛生産を継続していただければと思います。
会員・移動証明は減少
 会員数は対前年比96.9%と減少しています。酪農を取り巻く情勢は変わらず厳しく、農家戸数の減少は、やむを得ないところはあります。
 移動証明は、自動登録の普及拡大に伴い、毎年減少しています。現在、自動登録は全体の66.9%となり、昨年度よりも増加しております。自動登録は移動証明申込みが不要となるため、自動登録が増えるほど移動証明の申込みは減少します。
 表1の右列、都府県の自動登録実施状況ですが、昨年度都府県で自動登録を実施している農家は1959戸でわずかですが増加しています。昨年度に自動登録を開始した酪農家は70戸ありました。中でも、熊本県13戸、岩手県11戸と2桁の増加となっています。既に会員の9割が自動登録を実施している支部・承認団体もあり、皆様のご尽力により自動登録への切り替えが進んでいます。
 毎年自動登録を実施する農家が増えている一方で、何らかの理由により自動登録を中止している農家も少なくありません。当協会ではこれからも自動登録の普及推進に努めてまいります。各地において自動登録の普及推進の研修会等が開催されておりますが、要望があれば説明会等で当協会からも担当職員を派遣して説明をさせていただきますので、その際には当協会へご連絡ください。 
新規EX牛279頭
  審査成績は9395件で、昨年度よりわずかに減少しましたが、新たにEX(エクセレント)と評価した牛は昨年度より8頭多い279頭でした。平成29年に制定されたEX―E制度により、分娩更新して審査を受検し、複数回EXに評価された2E以上の牛は昨年度よりも19頭増え、149頭でした。体型に優れた牛が増えているのは、これまでの改良の賜物と思います。
 昨年度の新規EX牛を都府県別に見ると岩手県が40頭と最も多く、次に群馬県29頭、熊本県28頭、栃木県23頭でした。複数回EXに更新された牛は、岩手県が21頭と多く、次に熊本県14頭、群馬県12頭でした。
 検定成績証明は4299件で前年度より47件増、対前年比101.1%となりました。ただ、県による差が著しく、証明件数の少ない地域の普及・推進が望まれます。昨年度から開始した登録情報活用システム(通称RIUS・ライアス)では、血統能力証明書では表示しきれなかった血統情報や歴代の審査成績などをパソコンやスマートフォンで閲覧できます。すでに使われている方もおられると思いますが、すべての方が閲覧できるわけではなく、自動継続によって検定成績証明書を取得している酪農家が対象になります。このシステム、これからも皆様のお役に立てるように改良をしてまいります。
改良には血統が必要
 雌牛に優秀な精液を交配して後継牛を残すこと。当たり前のことと思いますが、後継牛を生産することも改良だと考えております。母牛の能力や体型など遺伝的能力を引き継ぐためには、まずは血統を把握することであり、牛群検定や体型審査も必要になります。「血統なくして改良なし」引き続き血統登録にご理解のほど、よろしくお願いします。

図1 各種申込件数の推移


表1 令和元年度登録等申込と自動登録実施状況


表2 各種申込件数の推移

  令和02年07月20日

元年度血統登録5%増加

引き続き自動登録推進を


 日本ホルスタイン登録協会の会員並びに登録委員、酪農関係者の皆様方には、日頃より登録事業に対しまして多大のご理解とご協力をいただき深甚より感謝申し上げます。
 7月に入り、熊本県、鹿児島県をはじめ九州の広範囲を襲った豪雨では、河川の氾濫や土砂災害が発生し、多くの死者や行方不明者とともに住宅の冠水・孤立等、日々の生活はもとより、酪農業にも大きな被害を受けました。被害に遭われた皆様に対しまして心よりお見舞いを申し上げるとともに、1日も早い復旧対策が進められますよう祈念申し上げます。
第15回全共が中止に
 さて、新型コロナウイルス感染症は今や世界中で感染者数1400万人以上、死者数も既に60万人を超えており、その感染力は一向に衰えを見せておらず、7月に入ってからも、特に東京都内では新規感染者数が100人を超える日が続いており、「第2波」の前兆ではと心配するところです。
 このコロナ禍によって、今秋開催を予定していた第15回全共九州・沖縄ブロック大会は、開催延期どころか中止決定という苦渋の決断を行うに至りました。九州・沖縄ブロック全共開催に向けてご支援ご協力いただいた全共実行委員会並びに開催ブロックの各県関係機関各位、そして全共出品を心待ちにしておられた全国の酪農家並びに関係者の皆様には、そのご心痛をお察し申し上げます。
生乳生産量、平均乳量は伸びる
 新型コロナウイルスの感染拡大は、酪農乳業界にも大きな影響を与えました。本年3月の学校一斉休校による学乳休止や緊急事態宣言発出後の外出自粛等による消費停滞で乳製品の需要が大幅に減少しました。しかし、政府の各種対策や酪農乳業界の賢明な努力支援によって、生乳廃棄や搾乳牛淘汰という非常事態を回避することができました。むしろ、今夏の牛乳不足が心配されるところです。
 毎年頻発する自然災害や今回の世界的なパンデミックの経済不況下にあって、昨年度の生乳生産量は前年度より1%増加し、本年4、5月の生乳生産量も前年同期を上回る等、順調に推移しています。また、先日発表された牛群検定の令和元年度におけるホルスタイン種の305日全国平均乳量は9760キロで、2年連続で過去最高乳量を更新しました。これらは、会員並びに牛群検定農家の皆様方の酪農経営並びに乳牛改良に対する真摯な取組みと努力の賜と言えましょう。
血統登録22万7千頭で5%増 
 令和元年度の血統登録申込頭数は、昨年10月からの消費税増税にもかかわらず、全国で22万7千頭余を数え、前年度対比105%の伸びを示しました。都府県においても自動登録の割合が年々増加しており、乳牛改良の基礎となる血統登録集団の拡大に大きな効果を上げています。
 しかし、本年度に入ってからは、コロナ禍の影響でやむを得ないところですが、特に個別登録申込が大幅な減少傾向にあります。登録委員の皆様には外出自粛等で現場に出向く機会が制限されたことで、登録申込書作成や人工授精証明書の整備ができなかったものと推察しております。他方で、申込書不要の自動登録は前年同期とほぼ同様の登録件数を確保しています。
NTPや長命連産効果見直しも 
 当協会においても、コロナ禍の影響は大きく、緊急事態宣言下では在宅勤務実施等により、特に血統登録をはじめ各種証明書の発行が遅延したことや、6月末までの3か月間は牛群審査業務を実施できなかったこと、通常総会の開催延期、今夏の地区別登録委員研修会の中止等でもご迷惑をおかけしております。
 このように、令和2年度の事業計画については既に一部変更を余儀なくされた点もありますが、前年度に引き続き、より多くの乳用後継牛を登録に結びつけるため、安価で申込書不要の自動登録を推進し、強い近親交配の回避や遺伝病発現の防止、遺伝的能力評価計算の基礎となる正しい血縁の構築と、Webサイトやスマホによる情報提供等の充実を行ってまいります。
 また、国等の助成事業では、搾乳ロボットに関連した体型形質データ等の収集と適合性指数を開発、繁殖・疾病データの収集とゲノミック評価等を考慮した総合指数(NTP)や長命連産効果の見直し等を検討します。
 本年度も酪農経営の根幹の1つである乳用牛改良のための登録、牛群審査、牛群検定の推進を図っていく所存ですので、会員並びに登録委員、関係各位の特段のご協力をお願い申し上げます。

 令和02年07月20日

新・審査委員紹介

事業部審査課 塩野雅一

 約1年半、審査委員に随行し14県282戸の酪農家で実習を行い、この度、4月1日付けの辞令で審査委員を拝命しました。実習にご協力頂いた支部関係者並びに酪農家の皆様に心よりお礼申し上げます。
 今月からは、各都府県にお邪魔して隠しきれぬ緊張の中、皆様方の愛牛を評価させて頂くことになりますが、お世話になった皆様からのご指導を生かせるよう日々勉強し、審査委員として誠心誠意努めさせていただきますので、お伺いする際にはどうぞ宜しくお願いします。



一般社団法人 日本ホルスタイン登録協会
The Holstein Cattle Association of Japan