令和02年01月20日

改良と血統

ゲノムの時代

事業部長 國行 将敏

 近年、乳用牛の改良技術は加速度を上げて進化しています。70年以上前に精液の凍結技術が開発されてから、日本の人工授精技術はそれまでの液状精液から凍結精液に変わり、優れた遺伝子は全国へ普及しました。その後、優れた牛をより多く生産できる受精卵移植技術に発展してきました。受精卵移植は品種を問わず色々な用途で普及しています。乳用牛に肉用牛の受精卵を移植して生産する農家も増えてきています。最近では、性選別精液の普及・利用が増え、効率的に後継牛生産ができるようになりました。
 そして今、改良は「ゲノム」の時代へ。生まれてきたばかりの牛の細胞から遺伝情報(DNA)を抽出・解析して「未来」が予測できるという、精子や受精卵が顕微鏡で見える世界よりも更に小さい「ミクロの世界」の技術が改良に取り入れられています。日本は平成25年度からSNP検査を開始しました。泌乳が始まる前に能力や体型を見極められることから、遺伝的に優良な牛は後継牛生産に、それ以外はF1生産などの判断手段として利用でき、SNP検査は年々増え続けています。
血統なくして改良なし
 その改良のために必要になるのが「血統情報」です。優れた泌乳能力、長命連産に必要な体型の遺伝子を持っている雄牛、雌牛であっても、素性(父母の情報)が分からなければ改良ができません。血統情報がはっきりしているからこそ、「次はこの雄牛で牛群を改良していこう!」という考えになると思います。
 血統情報だけあればいい訳ではありません。牛群検定では「乳量が出る」等、その牛が持っている泌乳能力を知ることができます。体型審査を受けて、「長命連産に優れた体型」の良否を点数化することで、客観的に評価することができます。これらを受けなければ「この牛は乳が出て、見た目がいい牛」と“何となく”というような表現しかできないでしょう。
たくさんの情報が重要
 従来の遺伝評価にゲノミック評価が加わったことで、今までの改良スピードとは比較にならないくらいの速さで、新しい優れた雄牛が国内外で誕生しています。その優れた雄牛の遺伝子を皆様の牛群に取り入れ、生産された牛の改良の成果を見るために必要なのが牛群検定、体型審査であり、それを証明するために大事なものが血統情報です。
 SNP検査だけをやれば、より精度の高いゲノミック評価値が出ると思われがちですが、それにはより沢山の牛の血統情報や検定成績、審査記録が重要になります。これらの情報が新たに追加されなければ、評価値も更新されず古い情報のままです。古いブルブックを見て改良をするようなものでしょうね。
酪農分野でもスマホは必需品?
 牛の改良の進歩を話しましたが、私たちの身の回りでも技術は着実に進歩しています。肩掛けの移動式電話が誕生したのが30数年前。今ではその大きさや機能は比較にならないくらいに進化してきました。今は何でも「スマホ」の時代、これも一つの改良ですね。スマホ一つで買い物や自動車を操ることもできる時代になってきました。
 日本ホル協では、従来パソコンでしかできなかった近交係数の検索や、紙で証明していた検定成績やゲノミック評価値を「スマホ」で閲覧できるよう開発をしました。今後も得られたデータを皆様に有効に活用していただけるよう、情報の還元に努力してまいります。
 引き続き血統登録の必要性に対する理解とその普及にご協力いただきますようお願い申し上げます。

令和02年01月20日

よくある質問にお答えします!

〜自動登録Q&A〜

事業部証書課長 門間 裕子

 日本ホル協では本年も引き続き、血統登録頭数の確保と登録事務処理の軽減に向けて自動登録の推進を行ってまいります。現在、都府県における自動登録実施率は6割を超えました。自動登録を実施されている会員農家、支部・承認団体や地域の担当者の皆様におかれましてはご理解・ご協力を頂き心より感謝いたします。
 さて、この度は皆様から寄せられることの多い自動登録についての質問に、Q&A形式でお答えいたします。
Q1.自動登録のはずなのに血統登録証明書が届かない!なぜ?
A1.自動登録されていない原因は次の@〜Dが考えられますので確認してください。@家畜改良センターに出生報告を行っていない。A何らかの不備があり事故照会となっている。B自動登録を開始する前に生まれた牛である。C導入した牛である。DET生産牛である。※B〜Dの場合は個別に血統登録申込書が必要です。
Q2.自動登録は移動証明がいらないの?
A2.はい、自動登録のメリットの一つとして、移動証明は必要ありません。他農家から導入した牛は家畜改良センターに転出・転入報告をすることで所有者名義は導入した農家のものとなります。また、家族間の名義変更の場合は「登録牛の同一家族への所有者変更届」を提出すれば無料で名義変更を行います。ただし、いずれの場合でも血統登録証明書には名義変更後の氏名は印字されず、データ上のみでの名義変更となりますのでご了承ください。血統登録証明書に印字したい場合は、従来どおり移動証明申込(有料)が必要です。
Q3.自動登録を始めたいけど、
   無登録の牛がたくさんいる場合はどうしたらいいの?
A3.自動登録の開始日より前に生まれた牛を血統登録するには、個別に血統登録申込書が必要です。しかし、その場合の登録料金は月齢にかかわらず10か月以内の自動登録料金で取り扱います。申込書の記入等お手数をおかけしますが、一番お安い料金となりますので全頭登録にご協力をお願いします。
Q4.自分で名号を付けたいけどどうすればいいの?
A4.家畜改良センターへの出生報告から1週間以内に日本ホル協に希望名号を連絡すれば、ご希望どおりに命名して血統登録証明書を発行します。連絡方法でお勧めしているのは「補足情報報告システム」です。家畜改良センターの届出Webシステムでの出生報告と同時に希望名号を入力できるサービスです。詳細は日本ホル協のWebサイトをご確認ください。
Q5.事故照会文書が溜まってしまったけど、月齢の経った牛は超過    料金になってしまうの?
A5.自動登録の超過料金は、出生日と出生報告日の間隔が10か月超えた場合が該当します。事故照会の回答が遅くなったという理由で超過料金にはなりません。 出生報告漏れにご注意ください。
Q6.分娩予定牛一覧について、記載されている授精記録は受胎しな   かったので次の授精をしている場合は、分娩予定牛一覧に手書   き修正してFAXが必要?
A6.この場合は分娩予定牛一覧の修正FAXは不要です。複数回授精している場合でも、授精の都度、検定の際に授精報告すれば、最終の授精記録から90日経過した時に分娩予定牛一覧に記載して配布しています。ただし、分娩予定牛一覧に記載している授精記録が間違っている場合は、修正FAXが必要です。また合わせて、検定の授精記録も必ず修正するようにお願いします。

 令和02年01月20日

1位 栃木県・高瀬牧場(株)

ー生涯乳量 都府県 令和元年9-12月ー
 令和元年9月から12月に都府県で検定成績証明されたものの中から、別表には生涯乳量7万`以上の高記録牛37頭を示した。今回は上位12頭が総乳量(M)10万`を突破した。
1位 高瀬牧場(株) (栃木県)
 生涯乳量トップは高瀬牧場(株)(栃木県)所有の「CH ジエフアーソン タイム」(平16.7.10生)の検定回数10回で検定日数4321日、M15万358`、総乳脂量(F)6397`、平均乳脂率(F%)4.3%、総乳蛋白質量(P)5157`であった。今回の記録は、10産目の検定成績証明を申請したことによるもので、8年ぶりに栃木県内1位を更新する素晴らしい記録となった。
2位 池松 和幸さん (福岡県)
 2位は池松和幸さん(福岡県)所有の「アイハツピー トリプル ダーハム クリスター」(平14.6.12生)の検定回数12回で検定日数4750日、M15万345`、F5421`、F%3.6%、P4933`であった。今回の記録は、12産目の検定成績証明を申請したことによるもので、福岡県内1位の記録を塗り替えた。
3位 (株)マウンティンファーム渡辺 (静岡県)
 3位は(株)マウンティンファーム渡辺(静岡県)所有の「マウンテイン コランサ バツカイ グツデイー」(平19.9.29生)の検定回数9回で検定日数3051日、M14万3391`、F5669`、F%4.0%、P4317`であった。
4位 (有)萩原牧場 (群馬県)
 4位は(有)萩原牧場(群馬県)所有の「ブルーエンゼル バツクナー エラ」(平16.3.16生)の検定回数8回で検定日数3635日、M13万3637`、F4853`、F%3.6%、P4293`であった。今回の記録は、8産目の検定成績証明を申請したことによるもので、群馬県内歴代3位となる素晴らしい記録となった。
 5位は佐藤範之さん(茨城県)所有の「ブリツツ」の検定回数9回で検定日数3401日、M13万1159`、6位は星野和司さん(群馬県)所有の「ロジツク」の検定回数8回で検定日数3091日、M12万2702`、7位は田茂さん(埼玉県)所有の「ジエスロ」の検定回数9回で検定日数3396日、M11万8949`。
 以下、8位石川始さん(岩手県)、9位平田実さん(福岡県)、10位吉原直樹さん(岡山県)、11位亀田康好さん(埼玉県)、12位浅野裕一さん(千葉県)所有牛が10万`達成牛として証明された。
 体型面においても3位(株)マウンティンファーム渡辺(静岡県)、10位吉原直樹さん(岡山県)93EX―3E、12位浅野裕一さん(千葉県)所有牛を始め13頭が90点以上を獲得しており、体型においても優れた成績を残している。
 

生涯検定乳量記録牛(令和元年09-12月 都府県)

 令和02年01月20日

検定成績優秀牛

 

検定成績優秀牛(都府県 令和元年12月証明分F偏差値)


一般社団法人 日本ホルスタイン登録協会
The Holstein Cattle Association of Japan