平成30年01月20日

自動登録一層の普及を

〜血統登録の精度向上も強化〜

−(一社) 日本ホルスタイン登録協会 会長 前田 勉−
 新年明けましておめでとうございます。
 酪農家の皆様、登録委員並びに関係団体各位におかれましては、健やかな新春を迎えられたこととお慶び申し上げます。
 昨年は、7月に九州北部で記録的な豪雨が発生し、酪農関係でも飼料流出や道路寸断、停電によるバルク乳の廃棄等大きな被害がありました。被災された皆様には心よりお見舞いを申し上げます。
 皆様にとって昨年はどのような年だったでしょうか?都府県における生乳生産量はやや減少したものの、子牛販売価格の引き続き高騰や飼料価格も比較的安定し、酪農経営の上では順調な1年であったかと推察いたします。さらに、国の畜産クラスター事業や楽酪事業等の支援もあり、充実した1年でした。
 しかしながら、本年4月から改正畜産経営安定法による新たな加工原料乳生産者補給金制度が施行されますが、この新制度が酪農生産基盤の安定と酪農家の所得向上につながるものなのか等、不安感はなお大きいものがあります。また、米国を除く環太平洋11か国TPP交渉の大筋合意や日EU・EPA協定妥結等、今後のわが国酪農・乳業にとって大きな影響を与えることも想定されます。
 加えて、国内の酪農家戸数や乳牛飼養頭数の減少、生乳生産量の減少が続いており、国は乳用牛の遺伝的能力向上や雌雄判別精液利用による後継牛確保等の生産基盤対策を強化していますが、当協会としても引き続き、遺伝的改良の面から生産性向上とコスト低減、優良な後継牛確保に係る有効な事業の実施と情報提供等に努めていく所存です。
都府県自動登録60%台に
 具体的な方策として、先ずは当協会の基幹事業である血統登録の推進です。登録有資格牛の全頭登録を目指して、平成16年から本格スタートした自動登録も14年が経過し、北海道では年間登録頭数の96%以上、都府県でも60%以上が自動登録されています。登録申込書類不要、安価で登録証の早期発行といった自動登録のメリットをさらに浸透させていきたいと考えます。
 また、自動登録農家を対象としている「自動登録同時SNP検査申込」では、SNP検査の早期実施を奨励するため、該当牛の血統登録料を半額返付しています。SNP検査結果と従来からの遺伝評価値から得られるゲノミック評価値は、育成牛の早期選抜や交配種雄牛選定に有効です。
 血統登録を推進する一方で、登録の精度をさらに高めていくことも登録協会の使命です。血統登録申請の際には、無作為抽出による親子判定抜取調査をこれまで以上に強化するとともに、SNP検査の際に行う血縁チェック等で血縁疑義が判明したときには、速やかに従来の親子判定検査を実施して血統疑義の解消に努めます。
長命連産性向上事業の実施
 乳牛の長命連産性や生涯生産性向上は酪農経営にとって有益であり、当協会では本体事業である牛群審査のほかに、国の補助事業による初産牛体型調査を実施して、後代検定種雄牛及び雌牛の遺伝評価値計算に用いる体型データ収集を行っています。
 また、本年度からは全国競馬・畜産振興会の畜産振興補助事業として「乳用牛DNA情報による長命連産性向上事業」を実施し、育成牛の標準発育値と、長命連産性向上のための体のサイズ、肢蹄に関する指数の開発に着手しています。これらの体型審査では、当協会審査委員が直接、審査受検農家を訪問し、審査終了後にはその場で審査結果を印刷・還元しており、個々の雌牛の飼養管理や種雄牛交配に利用できます。
第15回九州全共に向けて
 最後に、2020年10月31日から11月2日、宮崎県都城市の都城地域家畜市場において第15回全日本ホルスタイン共進会九州・沖縄ブロック大会を開催するにあたって、昨年10月には実行委員会が設立され、全共開催に向けて本格的な準備が始まっています。
 ホルスタイン12部、ジャージー2部の計14部、出品総頭数270頭について、各都府県の日ホ支部・承認団体と協議を行いながら、本年11月には参加都道府県別出品割当頭数を決定する予定です。前回の北海道全共と同様に、後代検定娘牛出品クラスの設置や高等学校の出品奨励も行います。
 本年も当協会事業に対して、特段のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げ、皆様方にとって益々のご健勝とご発展を祈念して年頭のご挨拶といたします。

平成30年01月20日

血統登録で改良の道筋を

−登録部より−
酪農経営の安定には後継牛確保が重要
 この全酪新報を始め各種新聞や雑誌等で報じられているとおり、最近の乳用種初妊牛価格は高騰したまま一向に下がる気配がありません。本紙連載の「乳牛産地情報」でも、初妊牛は85〜95万円で横這いが続いており、育成牛ですら60万円弱となっています。これは、北海道を主として素牛を供給してきた酪農家の廃業やF1生産の増加によって、乳牛素牛の絶対数が足りなくなってきたこと、さらに、メガファームなど大型牧場の導入意欲が依然として強いことが要因と考えられますが、すでに一般酪農家が気軽に手を出せないほどの価格で推移しております。
 とはいえ、経営体として考えた場合、一定の生乳生産量を確保すること並びに一定の乳質を保つためには乳牛の更新は不可欠であり、後継牛を確保することは極めて重要な案件となります。
 一方、経営の安定を図ることを考えた場合、生産性の向上による生産コストの低減が求められています。一時的には増頭やエサの多給によって生乳生産量を上げることで乗り切れますが、長い目で見れば、遺伝的能力を向上させ、これを効率的に発揮させ、牛群の能力水準と斉一性を高めていくということが重要と考えられます。
 一般的には乳量や乳成分率、体型等の形質において、親から子へ遺伝する割合は、乳量で30%、乳成分率で50%、体型形質では10〜30%程度と推定されます。現在では種雄牛の後代検定や牛群検定の実施によって、種雄牛や雌牛の遺伝評価値が発表され、そのレベルは年々向上しています。
 酪農家は、総合指数(NTP)や各形質の遺伝評価値を活用して、より優れた後継牛が期待できるような交配と選抜淘汰を行って、生産性の向上を図ることができるようになります。
牛群改良の第一歩は登録から
 牛群改良の第一歩は正確な記録をとることから始まります。記録が正確でなければ、いかに優れた交配や選抜淘汰を行ったつもりでも、改良の効果は上がりません。
 個体記録の根幹をなすのが血統登録です。いつ、どこで、どういう父母から生まれたかという血統情報があって始めて、近親交配や遺伝的不良形質の発現を防ぐことができます。また、血統の特徴は泌乳能力や体型面によく現れます。血統の記録を牛群検定や体型審査成績と結び付けることによって、血統の特徴を生かした改良を的確に行うことが可能になります。
 すなわち、登録は、酪農家の交配計画に有効に活用されていることは言うまでもありません。
登録のメリット
 酪農家にとって登録することのメリットは、@登録証明書によって父母、祖父母など血統が明確になるとともに、登録協会の登録簿に記載され、永久に保管される、A遺伝的に優れた血統をより確実に残すことができる、B血統濃度(47〜100%)によって血統の純粋性の度合いが明示される、C強度の近親交配を回避できる、DBLADやCD(牛コレステロール代謝異常症)、さらにハプロタイプなど遺伝的不良形質の発現を未然に防ぐことができる、E能力、体型等の付加情報によって個体販売が有利になるとともに、改良の指針となる、などが挙げられます。さらに、F国並びに関係機関が行う種雄牛や雌牛の遺伝評価に際しても当協会の血縁情報が利用されており、その意味合いは益々重要になってきております。
 言い換えるならば、乳牛の腹をF1生産や和牛ETのためだけに使うことは資源の無駄使いといっても過言ではありません。貴重な乳牛の後継牛を残し、それを再生産のために使うということで発想の転換を行ってほしいものです。
 最後になりますが、牛舎の中のもう1頭、登録に結びつけていただくようお願いします。 

平成30年01月20日

繁殖台帳を印刷できます!

−家畜改良DBリニューアル−
 
 日本ホル協が運用している家畜改良データバンクのウェブサイトをご存知でしょうか。このサイトでは、血統情報や近交回避情報などを閲覧することができますので是非一度ご覧ください。
 そしてこの度、一部をリニューアルし、当協会会員限定で飼養牛1頭毎の繁殖台帳(図1)を印刷できるサービスを開始しました。
 当サイトのメインメニュー(図2)「会員情報」からログインすると、「農家別登録牛情報」ページを閲覧できます。このページでは、その農家で現在飼養中の乳用種牛が、血統登録の有無に関わらず一覧で表示されます。繁殖台帳を作成したい牛を選んで、ご家庭のプリンターで印刷して利用してください。
 無登録牛でも利用可能ですが血統登録牛の場合、当協会が所有するその牛の情報(名号、生年月日、血統濃度、血統3代、遺伝病検査結果)が繁殖台帳に記載され充実します。
 正しい内容の血統登録を行うには、日々の繁殖状況を正しく記録することが大切です。是非ともご活用ください。
図1

図2


PDF版

平成30年01月20日

日ホル協・日ジャ協「会員申込書」新しく

−総務部より−
  
 乳牛の改良並び酪農経営改善の第一歩は血統登録であり、そのメリットは同紙上で紹介しています。
 血統登録を申込むには、当協会の会員になることが必要となります。会員は各個人対応で、たとえ親子でも個々に会員になる必要がありますが、法人や団体等の場合は団体が会員となります。
 この度、会員申込書が新しくなりましたので、紹介いたします。
 申込書は当協会Webページからダウンロードできます。
 新しい会員申込書では、会員入会とその家族の退会申込みが、一枚で可能になりました。
 たとえば、後継者に贈与する場合、まずは後継者の会員申込書を記入してください。そして「家族会員がいる・・・・」の欄に現牧場主の会員番号・氏名をご記入いただき、「退会」を○で囲むことで、新規入会と退会が同時に行なえます。
 次に、自動登録を実施している農家のための「登録牛の同一家族への所有者変更届」の提出が省略できる項目を新たに追加しました。
 「家族会員が既に自動登録を実施している場合、今回の入会者に所有者変更を行いますか」の「はい」を○で囲むと、登録牛の所有者名義を申込者へ変更できます。
 新「会員申込書」を活用して、スムーズは会員・退会・所有者変更を行ってください。
 平成30年01月20日

人事異動

−日本ホル協−
 
◇西村 多恵子 登録部登録課書類係
◇稲沢 かがり 総務部総務課庶務係

一般社団法人 日本ホルスタイン登録協会
The Holstein Cattle Association of Japan