平成29年09月20日

牛コレステロール代謝異常症

−今年度から検査開始−
 今年の3月3日に開催された乳用牛遺伝的不良形質専門委員会において、新たに牛コレステロール代謝異常症(CD)が「指定遺伝的不良形質」に指定されました。また、3月31日付けで国はCDを「指定遺伝的不良形質」として公表しました。
 CDは、2015年7月に開催された牛の遺伝的能力評価に関する国際会議においてドイツの研究グループにより報告されました。その名称のとおりコレステロールの代謝が正常に機能せず、血中コレステロール値が低下し死亡する遺伝性疾患です。遺伝様式は、BLADやCVMと同じく両親が保因牛だった場合、後代は25%の確率で発症します。症状としては、慢性の下痢が見られること、また二次疾患として肺炎や浮腫が見られます。CD発症牛は、生後数ヵ月生存する場合が多く、治療可能な感染症などと区別がつきにくいことから長期の治療を行う場合もあり、生産者への経済的損失が大きいと言われています。現在、CD発症牛の治療による完治は不可能です。
ストームに起因
 研究者が保因牛の血統を遡り分析したところ、その全てがカナダの種雄牛「モーリン ストーム ET」(1991年生)に辿り着くことを発見しました。高能力・好体型を誇ったストームは多くの娘牛を残しています。また、ストームの息牛である「パーシユート セプテンバー ストーム ET」、「ハートライン タイタニツク ET」等も保因牛であることが判明しています。この他、国内種雄牛の中にも保因牛がいることが判明しており、登録娘牛頭数の多い順にCD保因種雄牛を表に示しました。

表 わが国のCDキャリア種雄牛とその登録娘牛頭数
登録番号 名 号 娘牛頭数
53999 ジレツトテイ-ウエ-ブ スパ-クリング ET 31,232
53959 ヘンカシ-ン ゴ-ルド ドリ-ム 23,218
54800 レデイスマナ- プレジヤ- ET 12,310
54828 グリ-ンハイツ レガリア ET 10,592
53507 スト-クランド DD シユ- マツハ- 9,080
53995 WHG ゴスポ-ト スリ-ト ET 6,566
54836 ラ プレゼンテ-シヨン バルスト RED ET 5,456
54111 KDC ブリツシユ ラツク ET 4,263
55080 エンデバ- ジユデイ ヴオイス 3,806
54002 フオレストフエアリ- ブリツツ ゴ-ルデン ET 3,450
54030 オムラ スイ-テイ- アシツクス ET 2,993
53747 ハイブリツジ レオ フアンタジスタ ET 2,221
54233 ノリツタ エアロスタ- リ-ドマン ET 1,720
54970 ベイリツチランド エグザイル ET 1,402
55145 NLBC ユグドラシル カ-ライル 1,214
53437 スノ-ライト TKE レジスタンス 858
54977 テイ-ウエ-ブ GIB トツプ スピ-ド RED ET 821
55409 レツドスタ- アレキサンダ- クラリネツト ET 566
53580 OK タイタニツク ア-ミ- ET 535
55103 J リ-ド コスモ フラツト テレサ 201
56202 コムスタ-ライジングウエ-ブ ET 101
56380 レデイスマナ- フオレスタ- 99
56262 メ-プルウ-ド ベサニ- ウイングマン ET 97
56121 ノ-スドリ-ム バ-ビ- マ-チン ET 93
56606 ク-ムブ-ナ スノ-マン ラ-バ- ET 93
56614 NLBC ロ-トン フロイト ET 88
57024 ユ-エム フラワ- バロテツリ ET 85
55340 ウチ ロミオ バ-ム ロンリ- 83
56265 ウチ プロフイツト ブリ-ド マ-クイス 83
56221 シツク MR ブロ-ズ ET 82
56284 ヘンカシ-ン ヒラリオ ホイツトニ- ET 82
57214 HMU ジユリ- プレ マナ- フタゴ 82
56154 ミツドフイ-ルド CCM エルシツク ET 81
56462 WHG ロ-トン ウエルボ-ン OC ET 77
56628 WHG アイザツクス ブラツドリ- ET 77
56707 サンバレ- ヘルシ- ボブ ET 77
56742 NLBC スリツト ペリオン ET 77
56135 ジレツトMT アイオタ ジヤステイス ET 76
56419 NLBC ロ-トン キヤピトル ET 75
56086 カトム サンダ- ピアレス ET 74
56150 カトム フオレスト ピア 74
57018 RCA クツキ- クリ-ム ET 73
57051 ロツクフイ-ルド キングス ケルヒヤ- RED ET 72
56975 NLBC ゴドリ- フロレンテイン 71
56345 ユ-エム フラワ- スパ-クリング ゴ-ルド 70
56423 WHG アイザツクス プラハ ET 70
56274 シ-レ-クヒラリ- スペツク セブン 69
56172 シ-レ-クJ ステフアン ダウンタウン ET 68
56354 オムラ シアラム 68
56477 SEA-LAKE スタンリ- ジヤベリン ET 68
56595 エンブレムK アリロツク ET 68
56662 コイブチベンジヤミン ET 68
56922 エンブレムK アンドリユ- ET 68
57358 NLBC デイプロマ シヤマシユ 68
56132 ベイリツチランド Bウイン ウインド ジエネシス ET 67
56526 RCA ラルマ クライアント ET 67
56773 オムラ アサイン 67
56072 エンドリツチ ブラツク CP ロジヤ- 66
56402 プログレス アイランド カウズ アステリア ET 66
56777 MD ミスタ- マツカチエン 66
57174 テイ-ユ-SR ブロンクス ET 66
56463 WHG ウインブル バ-ビング ET 65
56624 NLBC ウインブル エドモントン 65
56057 クレスタ マウイ ミロツチ 64
56818 カ-レル ブラウラ- D ペルソナ 64
57048 RCA ラルマ ク-ル 64
57398 NLBC オブザ-ブ グリエル ET 64
56098 ハツピ-グロ-リ- フイルド ジヤニオリ 63
56912 ホクレン イシリ- バハマ チヨツパ- ET 63
56934 TLM ミラクル イグアス 62
56455 TLM ミラクル スリ-ト ギムレツト 61
56871 シヤインヒル モ-ニング トラ ET 61
57145 MR サンビユ- サツシ- 1295 ET 61
57211 NLBC ナイトリ- インペル 61
56869 シルビユ- SW バハマス ET 60
56516 エルムレ-ン スパイラル サフアリ 59
56105 サリツクスウイツク ET 58
57104 クレセントム-ン ブラデイス エンデバ- ET 58
56092 テイ-ユ-WB スペシヤルテイ ET 57
57273 クロケツトエ-カ-ス RE マジツク 57
57345 NLBC ジヤイプ-ル エルウイン ET 57
56905 シヤインヒル バハマス ジエラ-ト ET 56
57365 MD ロ-ドスタ- マイク 56
57391 NLBC ジヤイプ-ル アスク 56
56405 テイ-ウエ-ブ ライン アツプ ET 55
57241 プラスフジ キヤツシユバツク ET 55
57361 リバ-サイド ミスタ- ガンズ 55
56277 MS ビキニ アツプダンサ- 54
56752 NLBC スパ-クリ- オニチヤ ET 54
56944 NLBC スパ-クリ- ラフイツト ET 54
56453 HMU ジユリ- アド-シヤ 53
56830 ウチ プロフイツト アメリオ マ-クイス 53
56437 TLM トツプ ジヨイ 52
57260 HMU ジユリ- スプロ ET 50
57578 NLBC ブツドレア ハ-モニクス ET 48
56498 オムラ アキユ-ト ET 44
57278 スパ-クエツヂ ムラサメ RED ET 44
56542 サニ-ウエイ マグナム ブレイク ET 43
56403 テイ-ウエ-ブ ス-パ-ソニツク 38
57487 HMU ジユリ- ストラテジ- 6
57364 ウチ プロフイツト メロデイ- ラテ RED 3
総計 127,779
カナダでは減少傾向
 カナダのホルスタイン集団での保因頻度は2012年生まれの17%をピークに減少しており2016年生まれでは12%を下回っています。また、日本国内においても2013年をピークに保因頻度は減少しています。
今年度から検査開始
 日本ホル協では、4月よりCDの遺伝子型検査の受付を開始し、検査結果を血統登録証明書や家畜改良データバンクに表示しています(図1、2)。表示は、他の遺伝病と同じように3桁表示で、CDF(正常)、CDC(保因)となります。ただし、CDS(発症)と表示される場合もありますのでご注意ください。また、雄牛については血統登録申込にCD検査を義務づけることとしました。この他、家畜人工授精事業体協議会(JAAB)では4月より、一般供用中の種雄牛の中から保因牛の精液販売を中止する、保因牛は後代検定候補種雄牛から除外するといった対策を行っています。そのため、今後、CD発症牛が生まれる可能性は極めて低くなります。
 また、あなたのボンベに古い種雄牛のストローがあれば、CD保因を当協会Web等を確認して交配することをお勧めします。


図1 CDの保因情報を記載した血統登録証明書


図2 CDの保因情報を記載した家畜改良データバンク

平成29年09月20日

生涯乳量

−都府県 29年8月−
 29年8月に都府県で検定成績証明されたものの中から、下表には生涯乳量5万`以上の高記録牛31頭を示した。今回は上位6頭が総乳量(M)10万`を突破した。 
1位 太田 博士さん(長野県)
 生涯乳量トップは、太田博士さん所有「ジヨーネン アパツチ カーネーシヨン」(平10.2.25生)の検定回数12回で検定日数5,368日、M16万634`、総乳脂量(F)5,710`、平均乳脂率(F%)3.6%、総乳蛋白質量(P)4,885`であった。今回の記録は、12産目の記録を更新したことによるもので、これによりM16万`を突破し都府県歴代4位、全国歴代16位となる素晴らしい記録となった。
2位 長恒 充さん(岡山県)
 2位は、長恒充さん所有「ダウンヒル ブリツツ プリテイー」(平18.7.30生)の検定回数6回で検定日数2,906日、M12万6490`、F3,832`、F%3.0%、P3,484`であった。今回の記録は、6産目の検定成績証明を申請したことによるもので、同県内歴代1位となる素晴らしい記録となった。この記録により、同県内でM12万`突破牛は3頭目となった。
3位 池松 厚博さん(福岡県)
 3位は、池松厚博さん所有「ビツグフイールド リートン ドリームフユーチヤー」(平13.2.10生)の検定回数11回で検定日数4,514日、M11万4933`、F5,605`、F%4.9%、P4173`であった。今回の記録は、全産次の検定成績証明を一括申請したことによるもので同県内歴代4位となった。
 この他、21位・岩泉篤さん(岩手県)、30位・折元金喜千さん(岩手県)所有牛は、審査得点EX(90点以上)を獲得しており、体型においても優れた成績を残している。



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 平成29年09月20日

NTPトップはジョージア

新規13頭登場

−2017-8月 国内種雄牛評価−
 (独)家畜改良センターは8月22日、乳用種雄牛評価成績2017-8月を公表した。表には精液供給可能な国内種雄牛71頭のうち、総合指数(NTP)トップ40の種雄牛を示している。
 今回トップ40には、新規選抜牛が13頭登場、特にベスト10には5頭入り、多くの新規牛が上位に選抜された。
1位「ジヨージア」 JP4H55951
 今回トップを飾ったのは「ジヨージア」で、前々回初登場3位、前回の1位に続きトップを保持した。父牛「ビーコン」と母方祖父「アーニット」の交配で誕生。泌乳形質の改良に優れており、乳蛋白質量1位、無脂固形分量6位、乳脂量7位、乳量9位のほか、体型でも肢蹄が3位に入っている。
2位「SW ナイアグラ」 JP3H55926
 2位は、「SW ナイアグラ」で、前々回初登場1位、前回2位を保持した。「ナイアグラ」と「プラネット」との交配で誕生。乳代効果と乳量、無脂固形分量、乳蛋白質量が1位、乳脂量2位、長命連産効果8位と産乳能力の改良に期待が持てる。
3位「サンダーバード」 JP3H56191
 3位は「サンダーバード」で、初登場で3位。「スーダン」と「アレキサンダー」の交配から誕生。乳脂量6位、乳蛋白質量8位のほか、体型形質の改良に優れており、体貌と骨格4位、肢蹄7位、決定得点8位に入っている。


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一般社団法人 日本ホルスタイン登録協会
The Holstein Cattle Association of Japan