平成29年01月20日

「ジャージー視察交流会開催」

−大雪で視察は断念 群馬県・神津牧場−
統計開始以来の早い積雪
 日本ジャージー登録協会(東山佑介会長)は去る11月24日・25日の両日、全国ジャージー酪農振興協議会(真田善弘委員長)並びに公益財団法人神津牧場(須山哲男場長)の協賛の下、長野県佐久市の佐久平プラザ21会議室において、ジャージー視察交流会を開催したところ、4年ぶりの大会とあって、北は北海道、南は熊本県から、全国のジャージー酪農家と関係者26名が集い、ジャージー生産地の現況報告を行うとともに関係者の交流を図った。
 当初の予定では「ジャージー視察交流会 in 群馬・神津牧場」として、初日は群馬県下仁田町の神津牧場を会場に視察とジャージー生産地からの現況報告を行い、宿泊ホテルで交流会を実施、翌日は長野県南牧村のジャージー酪農家を視察することで計画したものの、11月としては都心では54年振りの初雪となったほか、明治8年の統計開始以降初めての積雪を観測するなど、関東地方は大荒れの気象となり、各種の公共交通機関に乱れが生じた。このため、牧場視察は断念せざるを得なく、生産地の現状報告を行うとともに交流会のみを実施した。なお、牧場視察は一部の参加者のみで行った。
 冒頭、東山会長から「昨年10月の北海道全共でも大変な天気であった。大雪と暴風に見舞われ、出品者・関係者には大変な思いをされてお帰りになった。今年は4月の熊本・大分大地震に始まり、岩手県岩泉町と北海道清水町で台風を端に発した大水害など、例年にない異常気象が続いている。この交流会は概ね2年に一度、各地のジャージー生産地を会場に開催してきた。4年前には岡山県蒜山でジャージーフォーラムを、昨年は北海道全共の出品者と関係者を対象にカナダのブライドン牧場主を招いて交流会を行ったが、今回は群馬の山間地で放牧を主体にジャージー酪農を営まれてきた神津牧場を会場に交流会を計画した。生憎の天候で牧場には行けなかったが、全国のジャージー関係者が集っているので交流を深めてほしい」と挨拶が行われた。
山岳地帯で放牧酪農
 続いて、当初の視察予定地であった神津牧場の須山哲男場長から概況報告が行われた。なかでも、場内の敷地は標高850mから1,350mの山岳地帯に位置するため、トラクターが入れるところは採草地として使うが、それ以外の傾斜地はすべて放牧地として使っており、それ故、「神津放牧しぼり牛乳」というネーミングでパック牛乳を販売できることも長所と述べていた。また、多くの種類の乳製品の製造並びに雄子牛の肥育にも取り組み、場内のみならず関東各地で販売を行っていることを披露した。
 ちなみに資料によると、明治20年(1887年)に牧場を開設し、明治22年にはバターの製造を開始した。現在の面積は387haで、そのうち100haが草地である。ジャージー雌牛とそれから生まれた子牛のみで約200頭、多いときは240頭にもなる。事業内容は放牧酪農と乳製品の製造・加工。「草と牛は一体であり、草を乳に換える」という創業者の信念のもと、試行錯誤を重ねながら独自の放牧酪農を確立するとともに、明治時代より高品質の乳製品を製造してきた。主な乳製品は@ソフトクリーム、A発酵バター、Bチェダー、ゴーダなどのナチュラルチーズ、Cのむヨーグルト、D牛乳、Eアイスクリームなどである。場内のほか、道の駅(下仁田・藤岡)や土産店・スーパー(軽井沢)などで販売されている。また、雄子牛もそのまま淘汰するのではなく、一定期間飼育して、場内で鉄板焼きとして提供するだけでなく、「料理王国(2014/1)-大特集・プロが使う“旨い牛肉”」として紹介されているように、東京都内の高級フレンチや高級イタリアンなどで食材として使われているそうだ。
ジャージーでも遺伝病発現
 一方、日本ホルスタイン登録協会登録部の岡係長から、「ジャージー種における近交係数の上昇と遺伝病」をテーマに話題提供が行われた。この件はフォーラム等がある度に継続的に公表して、警鐘を鳴らしている内容ではあるが、わが国のジャージー種集団では近交係数の平均が2010年に6%を超え、近年は横ばいだが、この数字はカナダと同程度。2011年から2015年に生まれたジャージー種の近交係数分布を調べると、全体の37%が6.25%以上となっている。近交が高まると遺伝病を発現しやすくなり、場合によっては胎児の段階で死亡するなど、経営に大きなダメージを生ずることもある。
 ジャージー種では、SNP検査の普及により近年判明したハプロタイプ型遺伝病のうち、JH1と呼ばれるものがあり、妊娠初期に死亡する致死遺伝病である。キャリアは「オブザーバー チョコレート ソルジャー」に端を発するといわれており、これは北米の主流となる血統に多大な影響を与えている種雄牛である。最近のアメリカの種雄牛では「インパルス リーガル」と「インパルス ルーイ」がキャリアと公表されている。
 要約として集団全体の近交係数が徐々に上昇するのは致し方ないが、個体の近交係数が急激に高まることは避けるべき。血統登録証明書の有効活用や家畜改良データバンクの近交回避情報を利用して交配種雄牛を選ぶなど、手だてを尽くしてほしいと締めくくった。
 最後に、ジャージー生産地から現況報告もそれぞれ行われたが、このような情勢だからこそいろんな手だてを尽くして頑張っている様子が窺えた。また、最近ではSNSを通じて情報が得られるので、遠隔地だからといって手をこまねいているのではなく、積極的に発信していくことが大切という発言があった。

北は北海道から南は熊本県より集まった、全国ジャージー酪農家と関係者

平成29年01月20日

「効率的乳牛改良へ」

−体型審査を定期的に−
 酪農経営を行う上で、乳牛に求められるものは泌乳能力であり、乳牛の本当の価値はその牛が一生涯にどのくらいの乳量を生産し、経営に貢献したかによって決まる。言い換えるならば、生涯生産能力をより一層高めていくことが生産コストの低減と収益性の向上につながる。
審査の意義
 経済動物として考えるなら、温順で泌乳能力が優れ、長命で連産性に富み、飼料の利用効率が高いなど、よい形質を合わせ持つことが望まれる。
 なかでも、長い期間に渡って高い泌乳能力を維持するには、健康で骨格のしっかりした体型と付着・形状のよい乳房、丈夫な肢蹄等が必要であり、これらは飼養管理や搾乳管理の作業効率を高める上でも重要な役割を担っている。
 泌乳の生理的、機能的形質及び長命性と連産性が体の構造の上で現れる違いを見て、効率的で経済的な牛かどうかを早期に正しく見分けるのが体型審査であり、その牛が生涯に渡って高い泌乳能力を発揮できるか否かを判定する重要な手法となる。
審査受検方法
 ホル雌牛が審査を受ける方法としては2つのプログラムがある。まず、牛群審査では飼養する牛群内の登録経産牛全頭を対象とし、申込みによって行う。また、体型調査事業では後代検定材料娘牛(初産検定中)を飼養している牛群検定農家の登録初産牛を対象に行うもので、都府県では毎年前期・後期の2回、日ホ協の審査委員が現地の担当者とともに県内を巡回し、審査を行っている。
 実際の審査では、審査委員が各個体の体型について得点評価と線形評価を行い、審査直後にその場で審査結果を打ち出し、受検農家における直近の遺伝情報や種雄牛情報と合わせて審査結果の説明や交配、管理等のアドバイスも行っている。また、審査結果は審査成績証明されるとともに種雄牛および雌牛の遺伝評価にも利用され、遺伝情報として酪農家にフィードバックされている。
最後に
 牛群検定の実施と共に牛群審査を定期的に受検することは、牛群水準の向上には勿論、飼養管理や個体販売、さらには遺伝的改良を有利に進めることができ極めて有効である。乳牛改良をより効率的に進め、収益性の高い酪農経営を確立するため、是非とも受検をご検討願いたい。
審査日程
 今年度の今後の審査日程は次のとおり。
  • 茨城県 2月6〜14日
  • 長野県 2月6〜15日
  • 福岡県 2月6〜16日
  • 佐賀県 2月6〜7日
  • 長崎県 2月8〜9日
  • 熊本県 1月23〜27日

平成29年01月20日

「 「モントロス」 新規でトップ」

−2016-12月海外種雄牛評価−
 (独)家畜改良センターから12月6日に海外種雄牛2016-12月評価が公表された。
 今回トップを飾ったのは、新規の「モントロス」(父モーグル・母方祖父ボルトン)であった。形質別にみると、産乳成分1位、乳量3位、耐久性成分8位、肢蹄・乳器・決定得点それぞれトップ10位内に入っており、泌乳・体型能力ともに優れている。
 2位は、前回(2016-8月評価)新規で1位となった「メイフラワー」(父スノーマン・母方祖父ソクラテス)で、本牛は産乳成分2位、乳量2位、疾病繁殖成分4位で、特に泌乳能力の改良に期待の持てる種雄牛である。
 3位も新規の「トツプシー」(父ブツケム・母方祖父ワトソン)であった。形質別では、産乳成分5位、乳脂肪量7位、疾病繁殖成分7位。
 トップ40の父牛を見てみると、ブツケム・ロバストの息牛がそれぞれ7頭、続いてスノーマンの息牛が6頭と続く。
 


一般社団法人 日本ホルスタイン登録協会
The Holstein Cattle Association of Japan